陰山 貴志 さん
令和4年度

社員の命を預かる責任感
資格が人を育ててくれた

陰山 貴志 さん
陰山 貴志 さん

宇治電化学工業株式会社
製造部 技術課 主任

保有資格
  • 第二種電気主任技術者(2010 年度)
  • 第三種電気主任技術者(1991 年度)
  • 第一種電気工事士(2013年度)
  • 第二種電気工事士(1989年度)

※内容は2022年11月時点のものです

現在のお仕事内容を教えて下さい。

研磨剤や研磨機の製造・販売などを行う宇治電化学工業にて、高圧設備など各種電気設備の定期点検、製造作業員から設備状況の情報収集、および社員への安全教育の講師を行っています。

点検は月次・年次の定期点検に加え、毎日終業時に帰る際セルフチェックを実施しています。また作業員から各設備の状態についてヒアリングすることにより、計器には出て来ない異常を察知するようにしています。 

安全教育は年1回スキル向上を目的とし、各部署から推薦された社員と、主に高圧設備等に従事する社員のうち私が指名した者に対して行っています。

interview69_img02.jpg

電気工事士および電気主任技術者の資格取得の経緯を教えてください。

第二種電気工事士(電工二種)は、工業高校2年生の時に取得しました。高校卒業時に腕試しに第三種電気主任技術者(電験三種)に挑戦しましたが、初回の受験は不合格になってしまいました。試験傾向は把握できたので、卒業後まとまった時間があった1年間を試験勉強に充てて、19歳のとき2回目の受験で電験三種に合格しました。 

第一種電気工事士(電工一種)および第二種電気主任技術者(電験二種)については、実務経験を積むことで取得しました。 

interview69_img03.jpg

資格取得のコツがあれば教えてください。

まずは勉強するリズムを体内に作ることです。私は1日3時間限定でやれるところまで勉強し、時間が来ればその問題で打ち切りました。そしてやる科目を決めたらそれだけを連続で勉強することです。科目が一周すると苦手分野がわかるので、同様に繰り返し勉強すると理解度が深まります。また参考書を2種類用意しました。同じ問題でも解き方や算式が異なるので理解が深まり、一度で身につきやすくなります。

日々の業務に資格や資格勉強がどのように役立っていますか。 

資格そのものが人を育ててくれました。電気主任技術者には、社員の命を預かる責任があります。しかし電験三種を試験で取得した直後は、資格という「看板」は持っているが実務経験がない状態です。そのギャップを埋めるため、資格に見合う勉強や努力を続けました。結果仕事のスキルも向上し、良い循環が生まれました。資格取得の勉強からは、不明点などは見栄をはらずに人に聞く姿勢が大事だという事も学びました。 

電気技術者や電気関連の職業を志したきっかけを教えてください。

元々父が電気工事業を営んでいて、中学生の頃に山のみかん畑に防虫灯を設置する仕事を手伝いました。その光が遠く離れた場所からでも見え、毎日見るたびに人の役に立っていると感じ、なにか形に残る仕事に就きたいと思ったのがきっかけです。モノづくりや電気に興味があったこともあり、工業高校の電気科に進学しました。

やりがいについて教えてください。

入社して30年になりますが、未だに知らない事が多々あり、毎日がやりがいです。社員の安全を預かっているのでプレッシャーにもなりますが、そこをやりがいに感じて日々の業務に取り組んでいます。

interview69_img04.jpg

新製品・新技術開発に携わっていると伺いました。新製品・新技術開発における電気技術者の役割について教えてください。 

新製品・新技術開発においては、研磨機の開発に電気技術者として携わりました。研磨機は今までメカ・ハード的なON/OFFのスイッチ式だったものを、データ・ソフト的なタッチパネル式に変更しました。

従来のスイッチ式では、機械内部の「見た目は問題ないが実は壊れかかっている」といった事象を吸い上げる事ができず、故障や事故の予知・予防が難しい状態でした。しかしタッチパネル式にすることによって機械内部の「見える化」を実現し、故障や事故の予知・予防が出来るようになりました。 

また今までは自社のみで開発していた環境から、今回はシーケンサーやインバーターなどを外部の会社と共同で設計しました。そこで得られたフィードバックの自社内への水平展開も可能になりました。 

仕事や資格に関する今後の目標を教えてください。

先輩や周囲の方々に教えていただいた技能を向上させ、次の世代が更にブラッシュアップしやすいよう磨いて引き渡すことです。そのためにも電気のことに関しての悩み事があったら、まず相談されるような存在になりたいです。

また入社後30年以上継続している「電気事故ゼロ」を継続させ、社員を今日も安全に帰宅させることです。

電気関連の職業や電気技術者の資格取得を目指している方にアドバイスをお願いします。

電験三種の取得は出来るだけ早く、それも試験で取るべきです。そうすることで二種や一種へのステップも早く進むことが出来ます。仕事をするにあたり、電験二種を取得していると圧倒的に有利です。二種以上の取得を強くおすすめします。 

interview69_img05.jpg

その他のインタビューをみる