電気工作物の概要(電気技術者資格との関係)

電気工作物の概要(電気技術者資格との関係)

電気事業法では、特定規模以上の電気工作物を設置する事業場に対して、電気主任技術者の選任を義務づけています。また、電気工事士法では、特定の電気工作物に係る電気工事の作業について、電気工事士等の資格を持った者の従事を義務づけています。

電気工作物の概要

電気工作物とは

「電気工作物」とは、電気事業法という法律で定義される用語で、同法第1条第1項第18号で以下のように定義されています。

発電、蓄電、変電、送電若しくは配電又は電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路その他の工作物(船舶、車両又は航空機に設置されるものその他の政令で定めるものを除く。)

「電気工作物」とは、要するに発電、蓄電、変電、送電若しくは配電又は電気の使用のために設置する工作物の総称になります。
また、「工作物」とは、「人為的な労作を加えることによって土地等に固定して設備されたもの。」をいいます。

電気工作物の種類

一般用電気工作物

主に一般住宅や⼩規模な店舗などのように、低圧(電圧600V以下)で受電している施設等に設置される電気工作物をいいます。

事業用電気工作物

「一般用電気工作物」以外の電気工作物をいいます。⼩規模事業用電気工作物(特定規模の太陽電池発電設備及び風力発電設備)もこれに含まれます。

自家用電気工作物

事業用電気工作物であって、「一般送配電事業、発電事業等の用に供する電気工作物(発電所、蓄電所、変電所、送電線路、配電線路等)」以外の、例えば工場やビルなどのように⾼圧以上の電圧で受電している事業場等の電気工作物(需要設備等)をいいます。

図:電気工作物の種類

電気工作物の区分と電気技術者資格との関係

電気主任技術者

事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く。)に該当する電気工作物を設置する事業場には、その規模や受電電圧に応じて、第一種電気主任技術者、第二種電気主任技術者もしくは第三種電気主任技術者を選任する必要があります。
図:電気工作物、電気主任技術者の専任が必要な範囲

電気主任技術者の資格と範囲

電気工事士

電気工事士法では、自家用電気工作物(最大電力500㎾未満の需要設備)及び一般用電気工作物等(一般用電気工作物及び小規模事業用電気工作物)に該当する電気工作物に係る電気工事の作業については、電気工事士等の資格を有する者の従事を義務づけています。
図:電気工作物、電気工事士法の規制対象
第一種電気工事士
第一種電気工事士は、自家用電気工作物最大電力500㎾未満の需要設備(※)に限る。)及び一般用電気工作物等(一般用電気工作物及び小規模事業用電気工作物)に係る電気工事の作業に従事できます。
図:電気工作物、第一種電気工事士の工事範囲

(※)特殊電気工事(非常用予備発電装置工事及びネオン工事)を除く。

第二種電気工事士
第二種電気工事士は、一般用電気工作物等(一般用電気工作物及び小規模事業用電気工作物)に係る電気工事の作業に従事できます。
図:電気工作物、第二種電気工事士の工事範囲

(※)特殊電気工事(非常用予備発電装置工事及びネオン工事)を除く。

電気工事士の資格