USJの電気設備を支えるプロフェッショナル
安全と挑戦の舞台裏
合同会社 ユー・エス・ジェイ テクニカルサービス本部
ファシリティーサービス&ディベロップメント部
エナジーサービスセクション 課長
- 第二種電気主任技術者(2010年度)
- 第一種電気工事士(2001年度)
※内容は2026年6月時点のものです
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下USJ)は、2026年3月にパークオープン25周年を迎えました。これまで世界中から訪れるゲストに感動を届けてきたUSJですが、その舞台裏では、パーク全体の安全のため、「電気チーム」による電気設備の保守・点検が、絶え間なく続けられています。今回は、専任の電気主任技術者として活躍する西野さんに、パーク全体の電気設備に対する安全管理への取り組みなどについてお話を伺います。
私は、高校では普通科でしたが、学校での電池を使った実験がとても楽しかったことや、電気の世界への興味もあったことから、大学は電気工学科へ進みました。そして卒業後は、電気工事の会社へ就職し、施工管理の経験を積みました。その後、ユニバーサル・スタジオが大阪にできると知り、学生時代にアメリカ旅行で訪れたユニバーサル・スタジオ・ハリウッドでの、とても楽しかった経験や、映画が好きということもあり、こんな楽しいところで仕事がしたい!という思いで、電気技術者としてUSJへ飛び込みました。
入社後は、電気工事を多く担当していましたが、パーク内の電気設備に関する業務には工事のほかに点検・保守といった設備の維持管理があり、自分自身の仕事の幅を広げることを意識して、第二種電気主任技術者の資格を取りました。今はUSJ専任の電気主任技術者として「電気チーム」との連携・協力を密にして電気設備の維持管理に努めています。
電気チームは、変電設備や配電設備など、パーク運営の基礎となる電気設備の保守保全をメインとする部門です。構内で計画される電気工事内容については内容確認、審査を積極的に実施しています。
例えば、クリスマスなどのパークイベントに関わる電気工事は、施工部門と連携をとり、計画、図面資料について法的、運用的に問題がないかのレビューを行います。電気供給のトラブルを避けるため、電気保安上の注意点を伝え、懸念があれば、必要となる助言やアドバイスを行います。また、施工後も電気チームで必ず現地施工チェックをします。常に電気事故を発生させない意識をもって電気保安に取り組んでいます。
USJは、特別高圧での受電になっています。構内には数十か所のサブ変電所や各所に点在する相当数の配電盤や分電盤などの電気設備があります。電気チームでは、それらの設備の保守・メンテナンスを3班に分かれ、24時間体制で行っています。
設備の中には、パークのオープン当初から稼働して、経年劣化が進んでいるものもあります。これらの設備をパークの営業を止めることなく更新していくことは、パーク全体の健全性、事業継続や、会社の価値という側面からも重要です。更新にあたっては、外部の事例や情報を収集して、その対応方法を学びながら、多角的な視点で取り組んでいます。また、中長期的な方針を定め、引き継げる体制を整えています。
他には、電気の安全に対して、各点検で使用する手順書を整備し、分かりにくい表現や新しい設備で補足が必要なものがあれば、メンバーが書き換えや追記をすることで、随時アップデートしています。安全面のポイントが追記されることがあった時には、各メンバーの安全への意識が高まっていることを強く感じることができ、手ごたえを感じることがあります。
・電気チームで打ち合わせを行う西野さん(左)
最も意識しているのは「法令の順守と保安規程に基づく確実な点検・維持管理」です。実際に施工を担当する関係部門から密に情報収集を行い、時には現場を巡回しながら、見落しがないか確認することもあります。
また、電気機器の使用方法の知識が不足していると安全面で問題となることもあるため、例えば延長コードの使用方法やタコ足配線の危険性など、電気事故防止のために他部署の従業員への啓発活動も行っています。
電気工事の発注を担当するクルーに対しても、希望者がいれば資格取得のための勉強会を有志メンバーで行うなどの支援をしており、社内電気技術者の育成に力を入れています。
その他には、安全管理部門が開催する技術系の新入社員向けの安全教育「低圧電気取扱教育」にも参画しています。電気チームで1時間の講座を担当し、検電器での検電体験や、絶縁防保護具の着用体験教育を行っています。
会社としても、保全業務の質を高めることに力を入れており、関係スタッフのスキルの底上げが重要な取り組みであると強く意識しています。
特に印象に残っているものの一つとして、電気工事施工を担当していた頃に経験した「ギネス世界記録に認定されたクリスマスツリー」の設置があります。私はツリーの電飾などに使用する一次電源を供給する工事一式を担当しました。完成後、ゲストの皆さんがツリーを背に、笑顔で写真を撮る姿を見た時は、送電までの苦労が報われ、USJで働いている実感と、任された業務を無事終えることができた達成感で、この仕事のやりがいを強く感じました。他にも印象に残っている応急処置、突発対応は多くあります。
新しいアトラクションには、高度な技術が使用されています。それぞれの動作の仕組みを知り、導入後の保守や電気的トラブルに対応していかなければいけません。
今後も多くのことを積極的に経験して知見を積み、更なるスキルアップと、ハイテク技術に対応できる知識を身につけることが目標です。
私は、USJで電気工事の施工管理に挑戦したいと思い入社しました。その時は、のちに電気主任技術者として、やりがいと責任があるポジションを任されるとは想像もしていませんでした。 資格取得は、人から勧められる場合や、業務範囲、知識を広げるために必要になるなど、きっかけは様々です。ただ、仕事にしても資格取得にしても、挑戦することで自分を取り巻く環境が大きく変わることもあり、これからキャリアの可能性を大きく広げてくれると思います。チャレンジする気持ちで一歩踏み出してみましょう。キャリアアップへのターニングポイントがやってくるかもしれません。
・電気チームの西野さん(左)、石川さん(中央)、本田さん(右)
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