矢野 雅人 さん
令和4年度

高圧受電から家庭の照明交換まで
離島のインフラを守る「電気屋」さん

矢野 雅人 さん
矢野 雅人 さん

有限会社峯元電気

工事部

保有資格
  • 第一種電気工事士(2019年度)
  • 第二種電気工事士(2014年度)

※内容は2022年10月時点のものです

お仕事内容を教えて下さい。

東京都八丈島にある当社は、官公庁関連の電気・空調工事をメインに、一般住宅・店舗の蛍光灯交換や照明・空調工事まで幅広く扱っています。官公庁関連では、年間100本以上に渡る道路街灯のLED化・保守作業をはじめ、公共施設、災害時蓄電設備の工事、また海上保安庁からは灯台の保守業務を受注しています。3、4年前からは携帯基地局の新設工事も受注しています。

私の業務としては、現場代理人として施主との打合せ、施工図・各種書類の作成、材料の発注、工程管理などの管理業務から現場作業まで多岐にわたっています。

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第一種電気工事士および第二種電気工事士の資格取得の経緯について教えてください。

当社には無資格で入社しましたが、現場で作業する上で電気工事士の資格が必要だったので、入社2年目の2014年に第二種電気工事士試験を受験し一発で合格しました。その後、高圧受電関連の多い官公庁工事を取り扱うため第一種電気工事士の資格が必要となり、2019年に受験し一発で合格しました。

資格取得の上で苦労したことはありますか。

学生時代に勉強する習慣がなく、試験勉強自体ほぼ初めてだったので、勉強方法がわからず苦労しました。筆記試験は独学で勉強しましたが、技能対策は社長にマンツーマンで教えていただきました。

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資格や資格取得までの勉強が仕事でどのように活かされていますか。

資格取得前は、私が若いこともあり、業者様に心配されることがありました。しかし、資格取得後は資格を持っていることで安心と信頼を得ることができました。

貴社は離島という特殊環境にあります。離島ならではの特色、苦労、やりがいについて教えてください。 

離島で海が近い環境なので、材料や機器選定の際には耐風圧・耐塩害性をまず確認します。当社ではお客様の予算に合わせた材料・工法を提案していますが、例えば安い材料などでは耐風圧・耐塩害に問題があることもあります。その際はお客様に説明することを心がけています。

また、大きな資材は週2回の貨物船入港時しか入ってこないので、台風や冬場といった海が荒れる時期などは一週間以上資材が入ってこないことがあります。現場がストップしてしまうのを防ぐため、余裕を持って発注するように注意しています。

やりがいとしては、離島で細かく業種が分かれておらず、電気が使われている場所であればお客様から「直して!」や「取り付けて!」などの依頼があり、自然と仕事の幅が広がることが楽しいです。「仕事は断らない」「とりあえずやってみる」をモットーに、仕事に取り組んでいます。

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離島における電気技術者の重要性について、思っていることなどを教えてください。

現代社会は大半のものが電気で動いています。その中で島内のインフラを維持するために、電気技術者の重要性はとても高いと思います。島内には電気を扱える技術者が少ないので、今後はより電気技術者が増えてほしいです。

本土から八丈島に移住してきたと聞いています。移住してきたことで苦労や、やりがいはありますか。

高齢の方が多い島なので、方言をすべて聞き取ることができず苦労しています。その際は前後の言葉から文脈を読み取り、確認するようにしています。

一方で、漏電や台風通過後に映らなくなったテレビアンテナの修理など、ちょっとした作業でも終えると高齢のお客様などはとても喜んで頂けるので、やりがいを感じています。

電気工事士や電気関連の職業を志したきっかけは何ですか。

怪我でスポーツを引退した後、八丈島にあるホテルでホテルマンとして働いていました。結婚して子供ができたタイミングで、働く時間が一定で手に職をつけられる仕事を探していたところ、当社の社長に誘われて入社を決意しました。

仕事や資格に関する今後の目標を教えてください。

資格については、直近では1級電気施工管理技士、消防設備士甲種4類を目標としています。将来的には電気主任技術者の資格取得も目指しています。

仕事については、空調系の仕事が多いのでその知識を充実させつつ、今後も島の電気技術者として活躍したいと考えています。

電気関連の職業や電気工事士の資格取得を目指している方にアドバイスをお願いします。

電気関連の仕事に就く際に資格は必須です。しかし、無資格で入社しても資格を取って仕事を覚えれば、どこに行ってもやっていけると思います。まずは第二種電気工事士を取得したら第一種電気工事士と、どんどん挑戦して頂きたいです。

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