

株式会社シリックス
ロボットシステム部
ロボットシステム1グループ
※内容は2022年3月時点のものです
弊社は工場省人化に向けて産業用ロボット設備の新規導入、既存設備の自動化支援を業務としています。私は、その中でも特に製造ラインの中で産業用ロボットを動かす条件や順番、動作をプログラムする作業や設備構想、お客様への工場自動化や現行機への機能追加の提案を行っています。工場内の自動化設備は、機械、電気、制御ソフト、ロボット、ITといった複合した技術で成り立っています。これらの設備を動かす上で必ず必要になるのが電気の技術です。機械の組み立てや現場での施工は社内の技術者が行いますが私も電気工事士としての知識を活用し、安心・安全かつ効率的なFA(ファクトリーオートメーション)システムをお客様に提供しています。
小さい頃からモノづくりに興味があり、大学では工学部の電子制御ロボット工学科に進学しました。大学では血中酸素濃度を検出するセンサーなどを研究しており、電気技術についても身近に感じていました。新しい技術であるロボットで世の中を便利にしたいとの考えから今の会社に就職しました。入社してからロボットやAIを支えているのが電気であることに改めて気付かされ電気工事士の資格取得に向けての勉強を始めました。入社1年目は業務を覚えることで精一杯で、出張も多かったためあまり勉強の時間が取れませんでした。しかし、出張先のホテルで実技の練習をするなど努力を重ね入社2年目で第二種電気工事士の試験に合格することができました。
工場の設備は同じものが一つとしてないのでお客様に最適なFAを提案することは毎回刺激があります。お客様の工場省人化のニーズを把握し、形にしていきます。機械の設計や可動領域、配線経路などのシミュレーションを重ね、施工します。大きな工場の自動化は導入する機械も増え、電気配線やプログラミングが複雑になり、施工から試験運転、稼働まで1週間以上かかることもあります。大変な仕事ほどやり遂げた時に仲間たちと分かち合える喜びは大きいです。最近だと、あるお客様が社内各工場の優秀なカイゼン事例をプレゼンで決定する「カイゼン大会」という取り組みをされていて、私たちの手掛けた事例が決勝まで残っていると伺っております。こういったところでも高い評価をいただけることは何より嬉しく感じます。
電気工事士の試験勉強で学ぶ内容は、ほぼすべて電気設計・施工業務と直結しているため、活かされているかどうか自分で意識することなく、当たり前に活用しています。例えば、電気設備の図面や配線に関する知識があれば、どこにどのようなロボットが置けるか、可動領域はどこまでか等、自分で判断できるようになります。他の技術者との連携も円滑になり、より効率的な設備を提案できるようにもなりました。現場での施工の際にトラブルを事前に防ぐことにも大いに役立っています。全体を俯瞰で考えることができるようになり、仕事の質が向上し、資格取得前に比べて時間と労力も大幅に減少しました。
最先端の技術を扱っているのでFAに関するニュースや展示会には常にアンテナを張り、情報収集しています。より高度で柔軟さが求められる作業を人と共に行う協働ロボットも増えてきていて、会社の試験機で時間を作っては勉強しています。自分の知っていることには限界があるので世の中の進歩に合わせて自分をアップデートして常にお客様に最新の情報を提供できるように心掛けています。これまでは先輩の設計や施工を目の前で見て勉強してきましたが、私も今年は第一種電気工事士の資格取得にチャレンジしたいです。電気に関する知識をより深めることでお客様への提案についても幅が広がると考えています。今後も様々な経験を積んで質の高い専門知識と提案力を身に付けていきたいです。
「電気をつなぐ」と一言に言っても単純作業はなく、設備ごとのケーブルや機材の選定から配線、設計などは千差万別です。毎回案件ごとに違った課題に挑戦し乗り越えることで自分の成長を実感できています。電気工事士は仕事に直結する資格だと思っています。勉強すること自体で電気に関する知識が身に付きます。また、電気技術はあらゆる分野に必要なので全国どこの地域においても仕事ができる資格です。資格さえあれば場所を選ばずに仕事ができることも大きなメリットだと思います。手に職があることで自分に自信を持つこともできますので若い人達にはどんどんチャレンジしてほしいと思います。