

九州電設株式会社
くらしのドクター事業部 主任
※内容は2022年1月時点のものです
主に小口工事を中心とした「くらしのドクター事業部」という部署で戸建てや集合住宅などを対象にコンセントの増設、LED照明への取り替え、LANの配線、インターホン、換気扇、アンテナの修理や取り付け工事、エアコンの取り外しや据え付け、エコキュートの取り付けなど、工事から施工管理、アフターサービスまで幅広く担当しています。
一般住宅のコンセントや照明の工事などを扱う部署なので、高齢者や女性からの依頼が多くあります。特に女性のお客様は私が訪問すると喜んでくださいます。部屋の中に入っても安心だし、女性同士、話もしやすいと言ってくださいます。リピーターになって工事のご指名をいただくこともあり、より綺麗に完璧に仕上げようと思います。例えば新築戸建て住宅のコンセント設置工事は、壁も完成前なので、配線がしやすいのですが、すでにお住まいの戸建て住宅では、その家の構造やこれまでやこれからの生活動線を考えながら作業をしています。コンセントをどの位置に増設したら使いやすいか、見栄えは良いかを確認し配線します。きれいに仕上がり通電したときにお客様が喜んだ顔を浮かべ「ありがとう。またお願いしますね。」と言ってくださったときは嬉しくやりがいを感じます。女性としての優しさや気配りを今後も出していきたいと思います。ただ、最初のうちは早朝の工事や暑い中や寒い中での作業は大変でした。
入社3年目となる2017年、社長から熊本県電気工事技能競技大会に出場してみないかと言われ出場したところ3位に入賞しました。熊本大会後、九州大会にオープン参加し、出場した女性の中で唯一作品を完成させて高い評価をいただき、技術に対して確固たる自信がつきました。翌年、それらの実績により九州ブロック代表として全国大会に進み女性の部で最優秀賞を受賞する事ができました。高校卒業まで、全く電気の知識がなかったのですが、努力すれば知識や技術は身につくのだと感じました。電気工事士というと男性のイメージが強いと思いますが、女性だからこその繊細な気づきを強みにしていきたいです。
高校では福祉科に在籍し、介護福祉士を目指し勉強していました。しかし、当社で電気工事士として働いていた高校の先輩の女性から「電気は、必要不可欠で社会インフラの役に立つことを誇りに仕事をしている。また、実際に自分が配線工事をした家が完成したときの充実感は最高」と聞き電気工事士に興味をもちました。そして手先が器用だったこと、また、高校時代に陸上をやっていたこともあり昔から体を動かすことが好きで、汗をかきながら仕事をする姿がかっこいいと思っていたことから、電気工事士になろうと思い、先輩を追って今の会社に入社しました。入社後、電気工事の仕事をするために、第二種電気工事士を目指しました。
入社するまで電気の勉強を全くしていませんでしたが、かえって先入観なく覚えられてよかったかもしれません。現場での仕事をしながら昼休憩の時間や仕事が終わってから夜遅くまで過去問題を中心に取り組みましたが、疲れもあり集中して勉強に打ち込むことが難しかったです。筆記試験の勉強は好きではありませんでしたが、実技の仕組みを理解する上で知識は必要だと自分に言い聞かせて勉強しました。現場で工事の補助作業をしていたため配線の問題などは解けましたが、電気容量算出などの計算問題で苦労しました。繰り返し問題を解くことで克服し、第二種電気工事士試験に1回目で合格しました。電気の道筋を複数の線で詳しく表した複線図の勉強は難しかったですが、会社の先輩から指導いただき、しっかり頭に入れることができたので現場で電灯やコンセントに結線する際に役に立っています。その後も現場業務に従事する中、勉強時間を確保するのは大変でしたが、過去問題を中心に勉強を続け3回目の試験で、あこがれの第一種電気工事士試験に合格することができました。
かっこいい女性になりたいという思いもあって、電気工事士の世界に入り、資格取得を目指しました。現在、女性として資格を取得し、電気工事に携われた事に誇りを持って仕事をしています。友達や、初対面での自己紹介で電気工事をしていると言うと、「えっ、かっこいい!」と言われることが励みとなっています。資格を取るまでは大変ですが、取ってしまえば長く働ける魅力的な職業だと思います。ぜひ、一緒にかっこいい女性を目指してほしいと思います。