加川 義隆 さん
令和3年度

大型スタジアムの熱気と感動を支える
安心・安全な電気への思い

加川 義隆 さん
加川 義隆 さん

パナソニックファシリティーズ株式会社

西日本支社 関西第三事業所 FM三課

保有資格
  • 第三種電気主任技術者(2015年度)
  • 第二種電気工事士(2018年度)

※内容は2021年11月時点のものです

現在のお仕事について教えてください。

株式会社ガンバ大阪からの委託で、パナソニックスタジアム吹田の電気主任技術者として選任を受け、不具合対応、年次点検などの計画・調整・当日対応を担っています。受変電設備をはじめ非常用発電設備・太陽光発電設備ほか各種設備の点検・監視が主な業務です。

日常点検・月次点検では目視点検を中心に自身で監視しており、より安全・安心な施設の維持・運用・管理に努めています。 

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2017年入社とのことですが第三種電気主任技術者の資格は前職で取得されたのですか。

高校生の時に物理の授業で電気の不思議さに興味を持ち、大学の電子工学科に進学しました。その頃から、より勉強してみたいという思いが募り、在学中も電気主任技術者の勉強はしていました。卒業後は半導体メーカーに就職したのですが、より電気に深く関わる仕事に就きたいという思いもあり、大手電力会社で使用する大型変圧器のメンテナンス会社に転職しました。大型変圧器の技術営業に携わる中で改めてインフラを支えている電気の維持管理に興味を持ち、電気主任技術者の資格を取得しようと考えました。通勤の電車内や昼休み、帰宅してからは就寝前の少しの時間でも勉強時間を確保するようにして2年間勉強し、2015年度に第三種電気主任技術者の資格を取得することができました。資格は当時の仕事にも役立っていると感じましたが、さらに資格を活かすため今の会社に転職しました。

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入社してすぐスタジアムの電気主任技術者として選任されたのですね。 

はい。電気主任技術者としての初仕事だったので当初はとても苦労しました。前任者から1か月半くらいの期間で引継ぎを受け、そこからは本やインターネットで寝る間を惜しんで勉強し、第二種電気工事士の資格も取得しました。3年くらいは経験と知識を積み重ねることを意識し、機器の操作など覚えるべきことはたくさんありましたが、初めて停電を防ぐための非常用発電機の切替確認や負荷試験を単独で完遂できた時の達成感は今でも忘れません。

仕事のやりがいはどのようなところに感じますか。

パナソニックスタジアム吹田は40,000人収容で、520インチの大型ビジョンを2面設置しており、サッカーで得点が入った際などはもちろん、試合中は常に観客の注目を集めています。またJリーグのスタジアムとして認められるには規模や競技用設備などの厳しい基準があります。その一つに、1500ルクスという照明の基準があり384台のLED照明を導入しています。これらに不具合や問題があれば試合を楽しんでいただく妨げになってしまいます。私たち技術者が日々滞りなく点検し、これらを事前に解決していくことで、スタジアムの主役となっている選手やそれを応援している観客のみなさまに試合を楽しんでいただけます。そういったことに貢献できていると感じることが誇りです。

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普段の業務で心掛けていることはありますか。

『ヒヤリハット』の事例や不具合の可能性などを事前にメンバーと共有し安全性の確保に力を入れています。難しいことをわかりやすく伝える資料作りを心掛け、連絡ミスが無いよう徹底しています。また、現場や現物は必ず一緒に確認し、具体的な手順なども共有し、日々の連絡漏れが無いように心がけています。

これから資格取得を目指す人に伝えたいことは? 

電気は多くの人々の生活を豊かにし、無くてはならない存在です。そんな電気を安心・安全に、当たり前に利用できるよう支えていきたいという思いはこれまで仕事に取り組んできた中で、より強くなりました。電気主任技術者試験は、決して易しい試験ではありませんが、少しの時間でもこつこつと勉強を積み上げていくことが合格につながると思います。電気のスペシャリストとしての活躍が期待されますのでくじけずに一つ一つ取り組んでいくことが重要です。また資格取得は単なるゴールではなく、スタートです。私自身、電気の不思議さやインフラとしての電気に興味を持ったことがきっかけでこの資格を取得しましたが、大きく人生が変わったと感じています。

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今後の目標を教えてください。

より業務の幅を広げるために第二種電気主任技術者資格取得を目指し勉強中です。実務と併せて知識・技能を習熟させていくことで、自分自身を高められると感じています。観客や選手など試合に関わる全ての人が安心して安全にスタジアムをご利用いただける環境づくりにこれからも邁進し、感動を届けていきたいです。

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