井上 悟 さん
令和2年度

大規模清掃工場の建設で現場代理人に
高圧電気設備工事の第一線で活躍

井上 悟 さん
井上 悟 さん

株式会社沼尻電気工事(埼玉県深谷市)

技術部 課長

保有資格
  • 第一種電気工事士(2007年度)
  • 第二種電気工事士(1999年度)

※内容は2021年3月時点のものです

どのようなお仕事に取り組まれていますか?

建設現場で電気工事を取り仕切る現場代理人として、工事全体の現場管理と品質管理業務を行っています。具体的には、施主およびゼネコンをはじめ、土木や建築など各工事業者との打ち合わせ、施工図作成、各書類作成、工程管理、作業の進捗状況の確認などに携わっています。2001年に入社し、配線作業の補助業務などの経験を経て、23歳の時に代理人の仕事に就きました。キャリアは15年になります。工場などの高圧分野の工事が中心で、複数の現場を担当することが多いですね。

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最近手掛けた電気工事の中で特徴的な案件はありますか?

この約3年間は、都内にある清掃工場の建て替え工事の現場代理人を務めました。ごみを焼却する清掃工場はプラント稼働のための動力や建物内の空調設備などで多くの電力を使用します。当社にとっても大規模な案件であり、個人的にはこれだけの長い期間、1つのプロジェクトだけに集中して携わったのは初めてでした。1年間の準備段階から現場に常駐し、その後も施工図作成や工程管理、品質管理まで一貫して取り組みました。

代理人は私も含めて4人が駐在していましたが、工事のピークを迎えた約3カ月間は8人に増員し、作業者も最大で約70人が従事するなど、規模の大きさをあらためて実感するとともに、これだけのプロジェクトを完遂できたことは大きな自信になりました。生活に必要不可欠な清掃工場の電気工事を成し遂げ、社会のお役に立てたことは誇りでもあります。

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どんなところにやりがいを感じましたか?

日々、多くの作業者と思いを一つにして竣工に向けて汗を流してきました。そんな中、作業者への指示はもちろん、工程・品質確保は大変でしたね。それでも無事に受電し、苦労して作業してきた成果品に電気が送電されて、問題なく動作していることが確認できた時は何とも言えない達成感に包まれました。どの現場も同じですが、工事中の暗い建物の中で照明器具へ送電し、ぱっと明るくなった時が、頑張ってきて良かったと思える瞬間です。

新型コロナウイルスの感染拡大に直面していたと思いますが、現場に影響はありましたか?

中国からの輸入品が届かなくなったことがありました。現地の工場に連絡しても、納期がはっきりせず困りましたが、3カ月後に調達することができました。工程を工夫するなどして、全体の工期に影響が出なかったのは幸いでした。

作業者の感染防止対策に最大限の注意を払いましたし、昨年4月の緊急事態宣言の自粛期間が繁忙期と重なったため、作業者を集めるのに苦労した思い出があります。

現場代理人として心がけていることは?

作業者に対して的確な指示、安全な作業指示ができているか、工程に合わせて遅れがなく、順調に進んでいるか、品質が満足できているかなどに気を配っています。建設現場では電気工事以外にも多種多様な工事が行われます。作業をスムーズに進めるため、作業日程の調整などで各工事業者との密接なコミュニケーションは欠かせません。それでも現場は生き物ですから、思うようにいかない場面もあります。先を見通しつつ状況に応じて的確な判断を行えるように心がけています。

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電気工事会社に入社したきっかけは?

高校では電気科で学び、第二種電気工事士の資格は2年生の時に取得しました。この資格を活用できると判断して電気工事会社を選択しました。それから、もともと建設業自体に関心がありました。私が小さい頃、祖父が土木工事の監督業務を行っており、外で一緒に歩いている時に、「おじいちゃんがこの道路をつくったんだよ」と笑顔で話していたことが印象的でした。土木と電気では分野こそ違いますが、仕事の足跡を目に見える形で将来に残していける建設業に魅力を感じ、その中でも電気の道に進むことにしました。

資格取得のために学んだ知識や技術が役立ったことは?

入社7年目に第一種を取得したことで、高圧設備への業務にも携われるようになり、幅広く電気設備業務に取り組めるようになりました。資格試験の勉強を通じ、高圧の仕組みをはじめ、一つ一つの部品や機械がどういう働きをするかについて知識を得ることができたと思います。立場上、直接作業を行うことはありませんが、工事を熟知し、品質や安全確保を担う今の仕事にとても役立っています。また、施主・ゼネコンからも品質・安全面を含めて安心していただけるようになったのではないかと感じます。

資格取得を目指す人に伝えたいことは?

電気設備分野では資格取得は必須だと思います。資格取得に向けて吸収した知識は実際に電気工事の仕事に就いてからでも活かすことができます。日頃から若い社員にも資格取得を薦めていますし、多くの人に積極的に挑戦してほしいですね。

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今後の目標を聞かせてください。

これまでに100点満点と自負できる仕事はありません。いつか完璧だと納得できる仕事を実現できればいいと思っています。さらに、当社の目標である安全で使いやすい電気設備を構築することを目標に、施主・ゼネコンに満足をいただける電気設備の提供に向けて努力していきたいですね。今後も現場代理人を続ける中で、様々な経験を積み重ね、この仕事を究めていければと考えています。

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