

株式会社メビウス
工事主任(東京都)
※内容は2020年8月時点のものです
電気工事、特にイルミネーションの施工を中心に行っています。できるだけ設計・デザインのとおりになるように、配線とイルミネーションを設置していきます。電気工事だけでなく、イルミネーションを飾り付けるための構造物も製作します。例えばクリスマス向けであれば、ツリーやサンタハウスなどの形を組み上げ、そこに飾り付けをしていくことも多いです。
イルミネーションの繁忙期は秋から冬にかけてです。余裕のある時期は、繁忙期に向けた仕込みをしたり、内線工事や計装工事の応援に行ったりします。
電気工事としては、配線の先につなぐのがいろいろなイルミネーションだというだけで、他の内線工事などと基本的に変わりません。ちなみに以前のイルミネーションは電球でしたが、最近はLEDの値段が下がり色も自由に出せるようになって、ほぼ置き換わりました。消費電力が少ないのでたくさん設置できますし、施工もしやすいです。
現場がほぼ屋外なのは内線と違うところです。必要なら雨でも作業しなければいけませんし、夜間の作業も少なくありません。夜の作業は寒いですが、完成像がイメージしやすいという利点もあります。
電気の作業よりも飾り付ける躯体の方が苦労することが多いです。デザインを実際に形にしようとしたら思ったより難しかったり、現場に行ってみたら邪魔なものがあったりすることは珍しくありません。そこはなんとか試行錯誤しながら工夫して製作しています。
学生時代に特に電気の勉強はしていません。親戚の会社に入って立体駐車場の組み立てなどをやっていたときに、「電気を覚えてこい」と言われて電気工事会社に出向したのが最初です。その後、いろいろな職を経験しましたが、結婚を機に電気工事業界に戻ってきました。
そのとき入社した電気工事会社の社長が、現在所属しているメビウスの社長のお父さんでした。その電気工事会社に所属しながらも、メビウスのイルミネーションの現場に出ることが多かったので、数年後にメビウスにトレードされて今に至ります。
社長のお父さんの電気工事会社にいた頃です。それまでにある程度現場を経験し知識もついていたので、試験自体はそれほど苦労せずに合格できました。
資格のために勉強したことは電気工事の仕事をするために必要な基本事項ですし、資格を持っていなければ今の仕事をすることもできません。個々の具体的な場面というより、毎日常に役立っていると感じています。
第一種電気工事士も取りたい気持ちはあるのですが、試験日が繁忙期と重なるのでなかなか厳しいです。一度だけ受けたときは惜しくも不合格でした。取得できれば仕事の範囲が広がると思うので、機会があればまた挑戦したいです。
テーマパークや駅前広場、商店街、ビルなどいろいろな現場を経験してきましたが、一つ挙げるなら「つま恋サウンドイルミネーション」でしょうか。静岡県掛川市のつま恋リゾートで開催される大規模なイルミネーションで、光と音楽が融合して幻想的な空間が展開されます。何度か携わりましたが、入念に準備した部材を現地で組み立て実際に点灯したとき、うまく音とシンクロして動作しているのを見て、苦労した甲斐があったと感じました。他の現場でも、見物客などから「きれいだね」と言われるとやはりうれしいです。
まずはなにより事故がないことです。仕事柄、高所作業車に乗ったり、木に登ったりと、高い所での作業が多いのですが、下を人が通行している場合もあるので、工具や部材を落としたり、建てたものを倒したりすると大変なことになります。当たり前のことですが、この点はいつも気をつけています。その上で、イルミネーションを設置するときには手元の作業だけに集中するのではなく、点灯したときにどう見えるかイメージしながら作業することが大切です。
私が一度電気工事の世界を離れた後、また戻ってきたのは、やはり電気の仕事が面白かったからです。電気工事は幅が広く、電気だけではなくて大工や機械工のような仕事も必要なときがあります。苦労もありますが、自分のようにモノをつくるのが好きな人は向いていると思います。
特に若い人は、好きなことなら何でも思い切ってやってほしいです。そこでダメなら別の道へ行けばいいだけです。そんな中でも、電気工事士の仕事はなくなることはないですから、資格を持っていて損はありません。やりたいと思ったらチャレンジする価値のある仕事だと思います。