
「ラインマン」として奮闘中
ライフラインを守り、現場責任者を目指す

西川電業株式会社 工務部
- 第二種電気工事士(2020年度)
※内容は2024年5月時点のものです
私は工務部の送電課に所属しています。10~15人ほどのチームで送電線や送電鉄塔の工事、保守の業務を行っています。このような業務に従事する私たちは「ラインマン」と呼ばれます。1ヶ月に3基程度の鉄塔工事に携わり、ボルト修理や鉄塔建替の際には基礎の土木工事にも従事します。
もともと祖父が内線の電気工事士として自営業を営んでおり、父も同業種に勤めていました。その姿を小さい頃から見てきて、自然と私も電気関連の職業を目指すようになりました。工業高校の電気科に入学し、高校2年生の時に第二種電気工事士(電工二種)を1回で合格しました。また高校3年生の時には第一種電気工事士(電工一種)にも合格しました。現在、実務経験を積んだうえでの免状交付待ちです。
電工二種の技能試験では、電線の圧着作業が課題でした。男性の場合は電線をグリップしつつ、片手で工具を使い圧着ができますが、私は工具が自分の手より大きいことと、力が必要なので片手での圧着が難しかったです。対策として、電線を固定しつつ両手で圧着することで解決しました。学科試験については、分からない箇所を先生や同級生に聞きに行き、理解を深めました。学年に女性は私1人だけでしたが、親身になって教えてくれてありがたかったです。
電工の試験は内線関連の知識を主に問われるので、送電の仕事には直結していません。しかし、電気の基本知識を勉強出来たのは、普遍的な知識として役立っています。
楽しいことはやはり「鉄塔に登る」ことです。鉄塔は山の中にあることも多く、ラインマンでないと見られない、素敵な景色を見ることができます。最近では2024年3月に開業した北陸新幹線近くの鉄塔に登る仕事がありました。鉄塔の上から通過する新幹線を見たときは、とても感動しました。
そして私たちはチームで動いているので、作業が上手く行ったりすると先輩社員に褒めてもらえる所もやりがいの一つです。送電線の点検では、絶縁体の「がいし」に乗ってから電線に渡るのですが、初めて電線に渡ることが出来たときに「やるな」と褒めてくれたのは、とても嬉しかったです。
大変なことは、やはり力仕事です。ラインマンは山の中の現場も多く、フルハーネスや資材を運びながら山登りをすると、他の社員から遅れてしまうことがあります。そのような場面でも、先輩社員たちが気に掛けてくれたり、より軽い荷物と交換してくれたりなど、女性でも働きやすい環境です。
また、私はまだ携わった事がありませんが、冬になるとこの地域は雪が降ることが多く、たとえ吹雪の中でも電力の安定供給のために現場に向かわなければならない場合があります。先日発生した能登半島地震の際も、先輩社員が石川県の被災地へ応援に向かいました。
大変な仕事ではありますが、そうしたライフラインを守る使命感が自分自身のやりがいにもなっています。
私の目標は現場責任者になることです。まずはどんな小さな現場でもいいので、自分の現場を持ちたいです。そのためには、数多くの現場を経験し仕事を覚えることと資格を取ることが大切だと思っています。一歩一歩目の前のことに精一杯取り組んで、目標を達成したいです。
私は仕事とプライベートのバランスが取れていると思います。年間休日は120日あり、有給休暇ももちろん取得できます。休日出勤があった場合は、代休が取れるので、休みはしっかり確保できます。休日は車で遠出するなど、気分転換するよう心がけています。
普段の仕事では、先輩社員の動きを見て学んでいます。以前同じ作業をした際、必要だった資材や工具を覚えておいて、次回の作業で効率よく仕事が出来るよう準備しておくなど工夫をしています。
この業界は女性の数が少ないのが現状です。私は女性に対して電気工事の魅力が届いていないと感じているので、「女性にも電気工事・ラインマンが出来る」ということをアピールできたらと思っています。もちろん男性も含めて、男女問わず多くの仲間が増えてくれると嬉しいです。