活躍する電気技術者達

お客様の笑顔のために
遊園地の安全・安心を担う

活躍する電気技術者達
  • 中山 祐二さん
    株式会社花やしき
    遊園地事業部 施設安全チーム
    施設安全担当 リーダー
  • <保有資格>
  • 第3種電気主任技術者(2004年度)
    第2種電気工事士(2007年度)

―お仕事の内容は?

浅草にある遊園地「浅草花やしき」の遊園地全体に関係する電気設備や、ローラーコースターなどの屋外遊戯機械、お化け屋敷などの屋内遊戯施設の保守・点検に携わっています。園内には全部で22の遊戯機械と施設があります。私の所属する施設安全チームは、7人体制です。電気工事士の資格を持つ技術者は私を含めて4名、電気主任技術者は私1名です。基本的には、1日1機種を前提に点検を行っています。開園の午前10時までに点検を終え、開園した後は実施した作業内容の確認、翌日に点検する遊戯機械の状況確認、そして電気設備の点検計画などについて打ち合わせを行っています。

――電気主任技術者としての業務内容は?

電気主任技術者としては、高圧受変電設備や分電盤などの負荷設備をはじめ、園内電灯設備、空調設備、放送設備などの月次点検や年次点検を担当しています。電気主任技術者としての業務の一部は外部に委託していますが、私が委託先との窓口となって打ち合わせを行っています。2011年の東日本大震災以降は、節電計画の立案も行っています。例えば、照明のLED化の際は設計図面、作業工程表、見積書などを作成しました。現在も節電対策を進めています。2018年1月からは遊園地内で多目的ホールの新築工事が始まるのですが、それに伴う電気容量を計算して既存のキュービクルの有効利用を提案するなど、節電と経費削減に努めています。

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――これまでの経歴と、資格取得のきっかけを教えてください。

高校の電気科卒業後、業務用遊戯機械の製作を専門に手がけるメーカーに就職しました。パンダを模した乗り物など、コインやお金を入れると自動的に動き出す小型の遊戯機械を担当していました。このメーカーはローラーコースターなど大型の遊戯機械を花やしきに納入していたほか、一時は運営権も所有していました。景気低迷などで同社の経営状況が厳しくなり、業務縮小のため現在の部署に異動になりました。異動後は遊園地全体の電気設備に携わる機会が増えたため、電気技術者として認められたいという気持ちもあり、電気主任技術者の資格取得を本格的に考えるようになりました。はじめは敷居が高いイメージでしたが、講習会やセミナーに参加して、試験に備えました。

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――資格を取得してよかったことはありますか?

資格を取得してからは、社内外で技術者としての信頼度が高まったと実感しています。急なトラブルが発生した場合に、電気の基本的な知識がある技術者がいることで、状況把握などがスムーズにできます。
また、東日本大震災の時、電気設備についてテレビ局などから「どのような節電をして営業していくのか」など、様々な問い合わせがありました。その際に、基礎理論、電力、機械では電動機制御関係など資格取得で学んだ知識が活かされました。現場で役立つ基本的なことが学べたと思っています。今でもその知識は役に立っています。

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――最後にご自身の目標についてお聞かせください。

乗り物に乗って楽しんで帰っていく家族連れや子供達の笑顔を見ると、この仕事をやっていて良かったと感じます。お客様に楽しんでいただくためには、設備の安全が不可欠です。花やしきは1853年に開園した歴史のある遊園地なので、設備更新も進めながら、これからも安心と安全を確保していきたいと思います。
また、後進の育成を行うにあたり、相手のレベルに応じて教育・指導できる電気技術者になりたいと思っています。個人的には、第1種電気工事士の資格取得を目指したいと思います。

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