活躍する電気技術者達

電気工事の最前線に立つ
責任とやりがい

活躍する電気技術者達
  • 坂本 美保さん
    北陸電気工事 株式会社
    福井支店 内線工事部 内線工事課 主任
  • <保有資格>
  • 第1種電気工事士(2009年)
    第2種電気工事士(1995年)

――現在の仕事は?

1993年に入社し、設計部門に12年在籍した後、工事部門に移りました。そこで現場代理人の補助業務の経験を経て、現場代理人を務めています。約3年前、初めて一人で現場代理人を務めましたが、今は福井大学医学部附属病院の改修工事を担当しています。

――女性技術者が少ない分野ですが?

もともと、「女性だから」という言葉は好きではありません。女性だから、あれができない、これができないというのではなく、仕事の時はみんな一緒という思いは、いつも意識しています。それでも、女性だからこその提案とか、女性の目線とか、そうした部分は仕事でも大切にしたいです。現場の対話が和むとか、ある面では、うまく利用もしなくてはいけないですし、男性では言いにくいこと も、結構ストレートに言ってしまうこともあります。

――電気工事士の資格を取得した理由は?

第2種は電気工事の会社ということで、やはり必要だと思って取得しました。第1種は、とにかく現場代理人になりたくて、そのためには持っていて当然という資格でしたから。試験の勉強は大変でしたが、会社だけでなく、家に帰ってからも家事などを済ませた後、午後10時半ごろから午前1時ごろまで勉強しました。どうしても1回で取りたかったんです。負けず嫌いですし。

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――第1種電気工事士の資格を持っていることで、役立ったことは?

職人さんに分かりやすいような図面や設計図を、心がけるようになりました。また、資格の試験で学んだことをお客さまのニーズとともに、どうしたら現場にうまく伝えられるか、いろいろ考えてやっています。施工の時には具体的に職人さんに指示をしなくてはいけないので、電気工事士としての知識はやはり役に立っています。そもそも、第1種電気工事士の資格を取れば、実務経験を重ねることなく施工管理技士の受験資格が取得でき、現場代理人として活躍できるようになりますし、様々な現場に携われるようになります。より実際の現場のことで言えば、送電する前には幹線の検査として、絶縁測定は必ず行いますし、送電した後は、各分電盤での絶縁測定も当然です。絶縁が悪ければ改修しなくてはいけません。絶縁不良の個所を特定し、絶縁が良くなれば、送電していきます。また、その後は、コンセントであれば、電圧とか極性を調べ、機器の動作試験もしていきます。電気工事士としての知識を生かして検査を行い、どこが悪いのか、 どの値が正しいのか、判断して対応しなくてはいけません。

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――電気技術者として意識していることは?

電気を安全に、安心して使ってもらえるよう、施工の段階で、様々な工程ごとにしっかりチェックしなければいけないと考えています。実際に使う人の立場で考え、使いやすさを追求することも重要です。一方で、自分で作業するのが中心ではなく、立場としては施工の管理ですので、管理される側の職人さんとの人間関係は大切にしています。前の物件でお仕事させていただいた方が、次の物件でもご一緒させていただいた時、ある場面で「お前に任せるよ」と言ってもらったことがあります。前回の仕事ぶりから信頼してくれていると感じ、うれしかったです。そうした時は、「また、みんなで、一緒にものを作っていきたいな」と思えます。「また会いましたね」「またお願いしますね」と言ってもらえるためには、うまくコミュニケーションして仕事を進めなければと思います。そうした人間関係があれば、もしトラブルがあっても、相談に乗ってもらえたり、一緒に対応していただいたりできると思います。

――資格を取得して、うれしかったことは?

電気工事の仕事を始めた時には、子育てや家事もこなし、それに加えて資格を取ったりするのも大変でした。しかし、第1種電気工事士の資格を取ったことで、会社での信頼を得られて、一度、自分でやってみたらということで、現場代理人の仕事をさせてもらうチャンスにもつながりました。やはり、資格あってのことです。また、自分が責任を持って携わったものが、建物として、設備として残ります。それは、やり甲斐はあると思います。自分の子供たちにも、たとえば、どこかの店舗で、「ここを作ったんだよ」と言えたりします。作り上げたという達成感ですね。大変ですが、後に残る仕事ですから。

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――将来の夢は?

今は女性社員も現場の補助業務だけではなく、最終的に現場を担当させるように社内で育成しています。ただ、まだ現場代理人は私だけなので、今後は後輩を育てていきたいです。今の職場にも、一将来を担う女性社員が配属されていますので、今はその彼女を育てています。今まで経験したことを伝えたいですし、家庭を持つこともあるでしょうし、長くやって欲しいですね。あとは、私自身、現場代理人の経験はまだまだ浅いので、ステップアップしなければいけません。もっともっと勉強していかなくてはいけません。

( 内容は、2015年12月末時点の所属・役職に基づくものです)